なぜなぜ探偵

素朴な「なぜ?」に答えるWebマガジン

なぜ写真は写るの?

最近では、スマートフォンの普及によって、誰もが自由に撮れる時代になりました。手にしているスマホで、なんで写真が撮れるんだろう?と、思ったことはありませんか?今回はその疑問について調べてみました。

(執筆・カメラマンG)


写真はどうやってできたの?

17世紀、ジョセフ・ニセフォール・ニエプスという人が、世界で初めて写真を作ることに成功しました。

当時、石版印刷(版画のようなもの)が発明され、風刺画や風景画の大量生産が可能になっていた時代でした。
それに興味をもっていたエニプスは「光」が作り出す象の研究を進めていたのです。
エニプスは最初に「ヘリオグラフィ」という技術を発案しました。
太陽の「光」を使って、印刷の原板を作っています。
そのときに使った、腐食防止剤である土瀝青(どれきせい)を応用し、カメラ・オブスクラを用いて1824年(1826年とも言われています)に「光」で画象を長く定着させることに成功させました。これが世界初の写真といわれています。
現存する最古の写真は1825年に撮った『Un cheval et son conducteur』(馬引く男)です。
Nicéphore Niépce Oldest Photograph 1825
その時には、「露出時間」が8時間~20時間もかかったのです。つまり、写真を1枚とるのに、丸1日の時間をかけていたのです。今じゃ考えられないような時間がかかっていました。

カメラ・オブスクラとは?

写真ができる前に、画家が使っていた技術です。
ピンホール(針穴)を開けて、そこに入ってきた「光」を暗い部屋の壁に投影するというものです。

昔の画家たちは、手書きでそれを紙に書き写していたのです。
それによって、写実的な下絵が手に入っていました。
それがある意味で、昔の写真です。人々は手書きで写真を撮っていました。
つまり、先ほど写真を1枚とるのに8時間以上かかっていましたが、もっと時間が掛かる作業をしていたことになります。
今の画家とは違い、風景を残すためだけの画家もいたと思われるので、今の写真と比べると、かなり気の遠くなる作業に感じてしまいます。

写真とは?

さて、馴れ初めがわかったところで、必要となるものとは何なのでしょうか?
太陽光によって照らされ反射した「光」を、ピンホールや「レンズ」を通して、「感光材料」に投影し、保存するのが写真です。

感光材料とは?

ニエプスが使った感光材料は、瀝青(れきせい)でした。

これは光が当たった部分のみ、固まるため、固まった部分以外を洗い流すことによって、写真として残したのです。
これが、今でいうフィルムでした。
つまり、ピンホールやレンズから通ってきた光を、化学反応によって、記録できる材料のことを言います。
後に、ダゲレオタイプという技術が開発され、「露出時間」が30分程度に短縮されました。それには銀板が使われています。その後に、湿版ができ乾板が出来てより小さく、「露出時間」が短く綺麗に撮れる技術が、開発されていきます。

今ではこの感光材料が、デジタル化され、「光」を電気的にとらえることによって、フィルムの交換が必要なくなっています。しかし、昔は化学反応であったため、画素という概念がありませんでした。
手間の代わりに、今では考えられないほどの画素数であったと考えられます。

露出時間とは?

「光」を「感光材料」に投影する時間をいいます。
現在、映像素子(光を電気的にとらえるもの)を使っているデジタルカメラでは、明るいところで、大抵1/300秒程度の時間で、写真が撮ることが可能です。
これらの時間を調節することによって、「感光材料」の変化度合いが変わり、明るさや写っているもののブレ方が変わります。
「光」を当てすぎてしまうと真っ白になり、まったく当てないと真っ黒になります。
そのため、電子化されていないフィルムの時代では、フィルムの取り扱いが非常にデリケートでした。
 

フィルムの現像作業を暗室で行わなければならないのはその為で、うっかり光を当ててしまうと「感光材料」が化学反応を起こし、苦労して撮った写真が全部ダメになっていました。
今でいう、うっかり苦労して撮った全てデータを消してしまう心苦しい感覚に近いです。昔の写真を撮る苦労は、今の比にならないので、死活問題だったでしょう。

レンズとは?

「光」を取り入れる際に、光の屈折を使って光量を増幅させるものです。
ただのピンホールでは、明るさが足りず、暗いため、レンズを使って明るく取り入れます。
 

この際によく使われるのが凸レンズです。現在は凹凸のレンズを4枚程度重ねることで、魚眼、広角、望遠、ピント調節などが加わり多岐にわたるようになっています。
構造がかなり複雑ですね。
現在のカメラは、「感光材料」ではなく、映像素子に統一されている為、レンズが大事な理由がわかります。

写真における光とは?

光があるからこそ、写真を写すことが可能になります。
昨今では暗い場所でも、光を捉えられるようになってきていますが、元は光を捉えることから始まっています。いろいろな開発がすすめられ、気軽に撮れますが、これらの事があるからこそ、写真を写すことができるのです。

最後に

以上が今回、「なぜ写真が写るの?」ということのまとめです。
今から、カメラ(スマホ)を持って撮りに行く方もいるかと思います。撮る方法については、あまり触れていませんが、少しでも知識や参考になればと思います。まだまだ沢山の知識がありますので、これをきっかけに深めていっていただけたらなと思います。

Special Thanks : 参考記事・文献

https://style.nikkei.com/article/DGXKZO98849900V20C16A3W12001/

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%97%E3%82%B9

https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_03_01.html

https://av.jpn.support.panasonic.com/support/dsc/knowhow/knowhow01.html

http://tatsumo77.hatenablog.com/entry/2017/08/11/215045

 

なぜなぜ雑学ブログを始めます

ワードプレスに投稿した記事をはてなに転載する形で投稿していきたいと思います。

はてなブログAPIで記事投稿・編集・削除ができるので、ワードプレスからAPI経由で全ての記事を同期することができそうです。

developer.hatena.ne.jp

 

「なぜなぜ探偵」は「なぜなぜブログを作ろう」という発想から作ったブログ名です。

他にかぶっているブランドがないようなので丁度良かったです。

(むかし山梨のローカル番組にそういう肩書きのキャラクターがいたようですが・・・。)

山梨のローカル番組が好きで、テレビ、ラジオ共大好きでした(今は東京在住です)

昔ウッティな木曜日の「なぜなぜ探偵リョーコ」というコーナーに2回質問を寄せて採用してもらい、ウッティシールやボールペンを頂きました。  

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